2018年3月28日水曜日

ジ・インディ・ハック日本語版がリリース

2018年3月28日、Scablands Pressより『ジ・インディ・ハック』がDriveThruRPGにアップされました。
価格は6.60USドル(セール時は4.42USドル)で、元の英語版と同額に設定されています。


・作者:スレイド・ストーラー
・イラスト:ヘラー(J.カルロス・アンドレ)

『ジ・インディ・ハック(略称TIH)』はルール極小のファンタジーRPGです。
独特な「細部追加」のシステムによって、プレイヤーサイドからの発案が物語を大きく左右する、ナラティブでプレイヤー・ドリブンなスタイルが念頭に置かれています。
また、カバーおよび本文に挿入されているヘラーこと、J.カルロス・アンドレ氏のイラストも魅力的です。

  • ジャンルはオールドスクールなファンタジーもの
  • ルールはコンパクトで、ゲームマスターが把握していれば、その場の説明で問題なくプレイできる
  • 各人が細部(ディティール)を発言、時にそれをメモすることで物語が展開する。その場の思いつきで追加された細部が物語世界の“事実”となるので、プレイによって世界やキャラクターはグループ独自の豊かなものになる。
  • 戦闘の描写やダメージも細部の追加で表現される。殴られれば「頭から出血」し、剣の斬撃を与えれば敵は「胸を切り裂かれた」ことになる。
  • 魔法もまた細部追加で効果を発揮する。元素術師は呪文「変身」を唱え、自分に「鳥の姿」の細部を与えれば、鳥になって飛ぶことができる。

TIHの特徴をざっと挙げると上記のようになるでしょうか。

あと、キャラクターが死ぬと「裁きの三女神」に対面して、彼女たちの出す条件を飲めば復活できるというのも、風変わりなところかもしれませんね。復活後に女神との約束を守らずにいると「呪詛」という細部をダメージとして受けることになり、心を入れ替えて条件をクリアしない限り消せません。
これはキャラへの救済措置というより、死を前にして女神と向き合うこと自体がプレイの一環であり、条件付きの復活が次なる冒険への手がかりともなるギミックです。

トータル28ページ(日本語版はカバー裏や目次を付けたので32ページ)の小品も小品なゲームですが、いろいろと興味深いアイディアが詰め込まれています。
細かな数値やデータを駆使するシステムではありませんから、シナリオは他ゲームからの流用が効きやすく、オリジナルを準備するにしても、あまり手間がかかりません。
と言うか、プレイヤーが追加する細部もGMが提供する情報とほぼ等価なので、準備したものにこだわるよりも、プレイ中に突っ込まれたもので組み立てたほうが楽しい……というゲームです。

手軽でちょっと変わったフィーリングのRPGをお求めの方に、是非お試しいただければと思います。

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