2018年9月29日土曜日

ラッツ・イン・ザ・ウォールズ日本語公開版

『Rats in the Walls(ラッツ・イン・ザ・ウォールズ)』はフランスのAlexandre Kobayashi氏がデザインしたオリジナルTRPGです。

テーマはホラー、宇宙的恐怖……つまり日本でも人気のクトゥルフ神話もの。
ただし「ラブクラフト作品等に登場した神格や怪物を直接には扱わない」と明言されています。ルールブックに例示されている旧支配者やモンスターは、どれもKobayashi氏独自のものです。
(※『Rats in the Walls』販売ページは→こちら

この『ラッツ・イン・ザ・ウォールズ』はクリエイティヴ・コモンズ・ライセンス BY 4.0で、テキストの多くが公開可能になっています。
そこで公開できない部分のテキストや、ロゴやイラストを外した日本語公開版を作成してみました。

オープンできないのは作者オリジナルの旧支配者、怪物、ドリームランドの解説とデータを扱った章です。面白い内容ですし、これをホラーゲームで掲載できないのは痛いのですが……。それでも必須となるルールはすべて載っているので、他のゲームからアイディアを拝借する等で、十分にプレイ可能でしょう。
下にPDFを用意しましたので、興味を持たれた方はダウンロードしてみてください。


お読みいただくと、すぐにわかりますが、このゲームは実にシンプルです。
作者によれば参考にしたシステムは『トラベラー』や『アドバンスド・ファイティング・ファンタジー(旧版)』、そして、そうしたオールドスクールなRPGの影響下に生まれた近年の海外インディRPG諸作品とのこと。クレジット部の謝辞にラブクラフトと並んでサンディ・ピーターセンの名も挙げられていますから、当然『クトゥルフ神話RPG』もですね。キャラクター・データに「正気点」というのもありますし。

『ラッツ・イン・ザ・ウォールズ』はコズミック・ホラーRPGではありますが、偉大な先行作品である『クトゥルフ神話RPG』とは少しデザイン・コンセプトが異なります。
先にも述べましたように、既存の神話作品に登場するネタを使用しないこともありますが、何よりプレイするストーリーのアウトラインを「怪異に立ち向かう」ものと規定していることです。

プレイヤーキャラクターは一般人より少し頑丈で、不可思議な事件を探索する上で有利な面を持たされています。
ただし、それは言ってみれば「ストーリー展開が行き詰まらないように主人公補正がある」ようなもので、心身の能力や強度は「並よりちょっと上」程度でしかありません。うかつに危険や暴力の中に飛び込めば、瞬く間にピンチに陥ります。
そこをどうやって困難を乗り越え、怪異のもたらす破滅から身を守り、対抗していくのか? が主眼になります。

自身の生命と正気を危機にさらしながら「怪異に立ち向かう」RPG、その怪異の例示を省いた抜粋ではありますが、どうぞ御覧ください。
特にシナリオの作り方、プレイのコツを記した「宇宙的恐怖をテーブルに」の章は、他のホラーRPGにも流用可能で、大いに参考になると思います。

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