2020年9月9日水曜日

ジ・インディ・ハック日本語版をitch.ioで

開設したハンゲムハイ・ヘラルドのページでジ・インディ・ハック日本語版を販売することになりました。


作者:スレイド・ストーラー Slade Stolar
翻訳:中村俊也 Toshiya Nakamura
発刊:スキャブランズプレス Scablands Press

以前はDriveThruRPGで販売されていたのですが、突然ページが消失。
ジ・インディ・ハックのみならず、スキャブランズプレス(作者の個人レーベル)ごと消えていたので何事かと思って確認したところ、ストーラー氏がビザの関係でDriveThruRPGから収益を受け取れなくなったとのこと。

その後も事態は好転せず、ストーラー氏は今のところ、itch.ioでもゲームの配布は可能でも販売はできないということでした。

そこで氏からの申し出もあり、私が販売ページを作ることになったわけです。

今回アップロードしたPDFファイルは、DriveThruRPGで販売されていたものと同じ(ver.10)です。
ゲームマーケット2018秋でニューゲームズオーダー様から冊子版がリリースされたこともあり、こちらも内容は同じ。ですが、これは真鴨章さんレイアウトのイベント当日限定品なのでレアですね。お持ちの方は自慢できます(笑)。


ジ・インディ・ハック(TIH)は個人的にお気に入りのシステムです
プレイしたときの様子や、ルールの概要をツイッターでつぶやいたことがあるのですが、ぢぇいぢぇいさん(@alpharalpha_jj)にまとめていただいたので、ご興味のある方はご覧になってみてください。

じゃんごさんによるThe Indie Hackプレイレポート&システム紹介

じゃんごさんによるジ・インディ・ハックでのシナリオ『呻吟の森』プレイレポート

後者では、たまねぎ須永さん作のT&T用シナリオ『呻吟の森』を使用していますが、即興の「細部追加」で物語が激変するTIHでプレイしているため、いわゆるネタバレ要素はほぼありません(T&Tなどでプレイして同じ導入、展開、そして解決手段になると思わないでくださいね!)。
このシナリオはTtTマガジンvol.5に掲載されています。クトゥルフ・バリアントで精神安定度を用いる、本来はホラー、ダークファンタジー色の強い作品です。上のレポでは僕とプレイヤーの性格が強く反映されて、スットコドッコイの珍道中と化してますが(笑)、手軽に一風変わったプレイが楽しめるT&Tシナリオでオススメ。

ともあれ、しばらく日本語版どころか、元の英語版すら入手できなくなっていたこのゲーム。
日本語版だけとはいえ、復活がかないましたので、ぜひお試しください。
ご要望があれば、僕がGMもいたしますよ。オンラインセッションも可能ですしね。

2020年9月7日月曜日

itch.ioにパブリッシャーページを作ってみた

……チャリで来た、みたいなノリですが、itch.ioで販売ページがもてるかどうか、試してみました。
なんもアップロードするものがないと、さすがにテストにならないので、先日このブログにアップした『1ツイートTRPG』のPDFを使ってみます。


「Download Now」ボタンをクリックすると何やら$1.00と表示されますが、それは支援お願いしま~す、というものなのでファイルそのものは無料設定です。その上にある「支援しないでダウンロードする」でオーケー。あ、支援してもいいよ~という心がナイル川流域のように広いお方は、してくださってもかまわないですよ(笑)。

パブリッシャーアカウントをもつにも名前がいる……ので、ハンゲムハイ・ヘラルド(Hang'em High Herald)にしてみました。
僕がGMマガジンで連載しているコラムのタイトルは『海外TRPGを高く吊るせ!』で、これはテッド・ポスト監督、クリント・イーストウッド主演の映画『奴らを高く吊るせ!』(原題:Hang 'Em High)からとったものなので。ヘラルドは、頭文字をHで揃えたかったから(笑)。

うまくいくようなら、いろいろアップしてみたいと思います。

2020年8月31日月曜日

ロールプレイングポエムと1ツイートTRPG

詩誌『フラジャイル第9号』の記事「ゲームポエムへのいざない」(岡和田晃)で、いくつかのゲームポエムの訳者として名前を挙げていただきました。

岡和田さんの記事にある『光より遅く』『カレーの陣地』の訳はブログ、ゲームポエム・アーカイブスをご覧ください。Marc Majcher氏の『24 Game Poems』収録作は他にも訳して、いくつかを同ブログに掲載しております。

ゲームポエム・アーカイブスにはゲームポエム(ロールプレイングポエム)の他に、関連として1ツイートTRPGというものも挙げられています。

拙作のいくつかはPDF1ページにまとめたものがあるので、それをこちらにアップしておきましょう。


これはゲームポエムと200ワードTRPGチャレンジに影響を受けたものです。そちらと200ワードRPGの実例については「200ワードRPG『PROXIMA』和訳」の記事を参照していただければと思います。

僕個人の1ツイートTRPGの定型は「タイトルも含めて1ツイート(140文字)内」で、冗談としか言いようのないものも混じっていますが、ご笑覧いただけましたら幸いです。

2019年2月3日日曜日

エンター・ジ・アヴェンジャー日本語版

グループSNEの友野詳先生がツイッターで「2月2日は飛鳥五郎が殺害された日」と呟いておられるのを拝見して思い出しました。
そういえば以前、大切な人を殺されて、復讐を誓うキャラクターが主人公のゲームを和訳したな、と。

こちらの『エンター・ジ・アヴェンジャー』は復讐者と、その復讐の顛末を描くミニRPG、ストーリーテリングゲームです。作者はイタリア人デザイナーのRafu (Raffaele Manzo)氏で、ファンタジー短編とストーリーゲームの専門電子雑誌『World Without Master』に掲載されました。
WWM誌には毎号、このようなミニゲームが付いていますが、これはイラストも含めてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスBY-SAでシェア可能ですので、アップしたいと思います。

エンター・ジ・アヴェンジャー
作者:Rafu (Raffaele Manzo)
イラスト:Tazio Bettin
出典:World Without Master Issue 1(Dig a Thousand Holes Publishing)
https://www.worldswithoutmaster.com/bazaar/worlds-without-master-issue-1



『エンター・ジ・アヴェンジャー』はプレイ人数3人以上、5人が最適のゲームです。
各プレイヤーは「復讐者」「語り手」「被疑者」「審判」「天罰」、5つの役割のいずれかを担当することになります。遊ぶにはメモする紙、筆記用具に加えて、トランプのエースカード4枚とジョーカー2枚の計6枚が必要です。トランプは代わりにインデックスカード等を用いて、ルールに合わせた構成の6枚を自作してもいいでしょう。

復讐者の地獄巡りというテーマはマカロニ西部劇で頻出するのですが、イタリア人好みの題材なのかもしれません。
復讐、その受難、クライマックスの悲劇……。昔、作曲家の三枝成彰氏がイタリアのオペラ関係者に『忠臣藏』の話をしたそうで、その話は結局何人死ぬ? と聞かれて「47人、全員死ぬ」と答えたところ、それはヒット確実だ! と断言されたとTV番組で話していました。三大自転車ロードレースの1つでイタリア開催のジロ・デ・イタリアのコース設定が異様に過酷なのは、過剰に劇的であることを好むイタリアの国民性ゆえだ、という記事を読んだこともあります。

まあ、日本人も受難とかはさておき(これはおそらくキリスト受難が背景にある)、三大仇討なんてあるくらいですから、復讐譚はウケるテーマだと思います。『快傑ズバット』など放映当時は毎週、オープニングで親友の飛鳥五郎が殺害される姿を全国の子供たちに見せつけていたのですから、「過剰に劇的」を好むのもイタリア人に限った話ではなさそうです(笑)。

このゲームのジャンルは、いちおうファンタジーで、それに即した例示がなされています。
とはいえシステム面では、ファンタジーでなければ成立しないというものではありません。日本人の僕らとしては「復讐者」を荒木又右衛門にした『鍵屋の辻RPG』、早川健にした『快傑ズバットRPG』として遊んでもよいのではないでしょうか。

2019年1月2日水曜日

TIHシナリオ:戦火に引き裂かれた地で

『ジ・インディ・ハック(TIH)』は、プレイヤーが主導する局面の多い、即興性の強いRPGです。
実際のプレイでは、他のオールドスクールなファンタジーRPG(D&DとかT&Tとか)のシナリオを流用することが第1のオススメ手段なのですが、オリジナルのシナリオを作る場合は、どのようなものになるのか? その例を挙げたいと思います。

マックス・ヴァンダーヘイデン氏のシナリオ『戦火に引き裂かれた地で』は、即興で追加される「細部」が物語を左右する(さらには背景世界も生み出していく)、TIHエンジンの要諦を踏まえたものです。これを和訳し、氏から許諾を得ましたので公開します。

原典『The War Torn Lands』初出:
http://www.shoalmont.com/2018/09/shoalmont-018-war-torn-lands.html
ヴァンダーヘイデン氏の現在のブログ Shoalmont Games:
https://shoalmontgames.wordpress.com/

Thank you, Max Vanderheyden!


和訳PDFは以下の画像をクリックしてダウンロードしてください。

 War_Torn_Lands_JP


分量はたった1ページ、しかも下半分はキャラクターシートです。
これはTIHのシステムをご存知の方でも驚かれるかもしれません。

しかし、これでセッション可能なのです。プレイヤーが追加する「細部」しだいで、いかようにも話や設定が変化するTIHでは、ゲームマスターが事前にきっちりとしたボリュームのあるシナリオを作ったところで、その内容の半分もプレイで使えたら、よいほうとなります。ならば最初からプレイヤーに「やりたい/やれそうなネタ」を出してもらって、それに合わせて即興で進めればいい……。そんな考え方を極端に表しているのが、このシナリオです。

『戦火に…』は通常のシナリオのようにGMだけが所持し、閲覧・使用するものではありません。キャラクターシートと一体化していることでもわかるように、これは各プレイヤーにも1枚ずつ配布します。
セッションに導入する際の流れは、おおよそ以下のようになります。

1.『戦火に…』を各人に1枚ずつ配る。
配布後、プレイヤーに目を通してもらいながら、GMは「大きな戦争があった後」が舞台になることを伝えます。

2.プレイヤーキャラクターを作成(流用)する。
プレイヤーは通常どおりにキャラクター作成します。
すでに使用しているキャラクターを使うことにしてもかまいません。

3.「生業ごとの質問」に答える。
各プレイヤーは、新規キャラの場合は作成時に指定される他の「質問」に追加または交換する形で、使用済キャラの場合は追加する形で「生業ごとの質問」に答えて、他の人たちに伝えます。
答えの内容はメモしておくとよいでしょう。

4.「出会うものについての質問」に答える。
上と同様に各プレイヤーが答えます。先の答えを踏まえて考え、回答するとよいでしょう。こちらの内容もメモしておきます。

5.「ゲームマスター用の質問」に答える。
ゲームマスターは2つの「質問」に答えます。これは「3.」と「4.」で提出されたプレイヤーたちの答えを考慮して回答を決めます。
2つのうち「あなたたち(※これはプレイヤーキャラクターたちと考えていいでしょう)を進ませる、または留めさせるものは何か?」については、その答えをプレイヤーたちに伝えるのがよいと思います。
もう1つの「あなた(※つまりGM)が何よりも重視する真実とは何か?」の答えは、それがふさわしいと思うなら、GMは秘密にしてかまいません。公正を期すのであれば、その内容をメモして、プレイヤーたちには公開してもよい時が来るまで隠しておきます。

6.最初の場面を設定する。
GMは、これまでの「質問」への回答すべてを検討して、冒険の最初の場面を語ります。
以降はTIHのルールに則り、プレイを進めます。

最初の場面作りはもちろん、セッションが終わるまでの間、GMは困ったらプレイヤーたちと、いくらでも相談してかまいません。何しろ、このシナリオには事前に決まっていることは、ほとんど何もないのですから!
プレイヤーも相談や「細部」の追加で、積極的にお話の展開に協力してください。

ざっくりとですが、以上のようになります。
GMはとりあえず、プレイヤーキャラクターたちの目的を提示するために「出会うものについての質問」の回答に着目すると、冒険を立ち上げやすくなります。
「求める標的はどこにいるのか?」や「任せられた厄介な仕事は何か?」の答えは、うまくすれば、ほぼそのまま冒険の目的にできます。即興でセッションを行うことに不安がある場合は、この2つのどちらか(あるいは、あなたの使いやすそうな質問)は、必ず誰かが答えるように、とプレイヤーたちに求めるのがよいと思います。またはGM自身が追加で答えてしまってもよいでしょう。

私が試してみたいと思うのは、プレイヤーにも全公開のシナリオであることを活かして「参加者全員がプレイヤーとしてキャラを作り、GM役は場面ごとにローテーションする」やり方です。TIHは非常に軽いシステムですから、ルールを把握している人が1人いれば、その人の説明とサポートで、ルールブックを熟読していない人でもGMすることが可能なはず……。

できれば近いうちに、挑戦してみたいと思います。

2018年9月29日土曜日

ラッツ・イン・ザ・ウォールズ日本語公開版

『Rats in the Walls(ラッツ・イン・ザ・ウォールズ)』はフランスのAlexandre Kobayashi氏がデザインしたオリジナルTRPGです。

テーマはホラー、宇宙的恐怖……つまり日本でも人気のクトゥルフ神話もの。
ただし「ラブクラフト作品等に登場した神格や怪物を直接には扱わない」と明言されています。ルールブックに例示されている旧支配者やモンスターは、どれもKobayashi氏独自のものです。
(※『Rats in the Walls』販売ページは→こちら

この『ラッツ・イン・ザ・ウォールズ』はクリエイティヴ・コモンズ・ライセンス BY 4.0で、テキストの多くが公開可能になっています。
そこで公開できない部分のテキストや、ロゴやイラストを外した日本語公開版を作成してみました。

オープンできないのは作者オリジナルの旧支配者、怪物、ドリームランドの解説とデータを扱った章です。面白い内容ですし、これをホラーゲームで掲載できないのは痛いのですが……。それでも必須となるルールはすべて載っているので、他のゲームからアイディアを拝借する等で、十分にプレイ可能でしょう。
下にPDFを用意しましたので、興味を持たれた方はダウンロードしてみてください。


お読みいただくと、すぐにわかりますが、このゲームは実にシンプルです。
作者によれば参考にしたシステムは『トラベラー』や『アドバンスド・ファイティング・ファンタジー(旧版)』、そして、そうしたオールドスクールなRPGの影響下に生まれた近年の海外インディRPG諸作品とのこと。クレジット部の謝辞にラブクラフトと並んでサンディ・ピーターセンの名も挙げられていますから、当然『クトゥルフ神話RPG』もですね。キャラクター・データに「正気点」というのもありますし。

『ラッツ・イン・ザ・ウォールズ』はコズミック・ホラーRPGではありますが、偉大な先行作品である『クトゥルフ神話RPG』とは少しデザイン・コンセプトが異なります。
先にも述べましたように、既存の神話作品に登場するネタを使用しないこともありますが、何よりプレイするストーリーのアウトラインを「怪異に立ち向かう」ものと規定していることです。

プレイヤーキャラクターは一般人より少し頑丈で、不可思議な事件を探索する上で有利な面を持たされています。
ただし、それは言ってみれば「ストーリー展開が行き詰まらないように主人公補正がある」ようなもので、心身の能力や強度は「並よりちょっと上」程度でしかありません。うかつに危険や暴力の中に飛び込めば、瞬く間にピンチに陥ります。
そこをどうやって困難を乗り越え、怪異のもたらす破滅から身を守り、対抗していくのか? が主眼になります。

自身の生命と正気を危機にさらしながら「怪異に立ち向かう」RPG、その怪異の例示を省いた抜粋ではありますが、どうぞ御覧ください。
特にシナリオの作り方、プレイのコツを記した「宇宙的恐怖をテーブルに」の章は、他のホラーRPGにも流用可能で、大いに参考になると思います。

2018年9月15日土曜日

ネイブ日本語版

ミニRPGルール&ツールセット『ネイブ(Knave)』は『メイズ・ラッツ』の作者、ベン・ミルトン氏の新作です。
2018年8月26日にDriveThruRPGでリリースされ、現在、同サイトでゴールドセラーになっています。
(※DriveThruRPGの販売ページは→こちら

インディ・ゲームデザイナーとしてミルトン氏が作るゲームは『メイズ・ラッツ』もそうでしたが、基本的にミニサイズのオールドスクール・ファンタジーRPGです。そのシステムとプレイスタイルは「キャラメイク等での高いランダム性」「PC低レベル時の高い致死率」「使用回数制限の厳しい呪文」といった、古い時代のRPGが持っていたテイストを現在の視点から積極的に評価したものになっています。

そうしたオールドスクール再評価の傾向を持つゲームは別に氏の専売特許というわけではなく、特に旧版D&Dのシステムを流用した製品群は総じてOSR、オールドスクール・ルネサンス(またはリバイバル)と呼ばれています。

以前からOSR系デザイナーとして一部で注目されてきたミルトン氏ですが、今回の『ネイブ』はかなり直球な旧版D&Dベースのゲームです。
とはいえ同時に、その内容は氏独特の色に染め上げられてもいます。

・ファイター、クレリックといったクラス制を用いない。
・クラスがないので、PCに装備や呪文使用の制限もない。
・いくつかの能力値の適用範囲が変更されている。
・独自な呪文100種のリストが用意されている。

……等々、なかなか面白いです。

『ネイブ』はRPGを、特にD&Dを知っていることを前提に作られているので、そのルール記述は最低限で、分量はレターサイズのPDFで7ページしかありません。
ですが、そのコンパクトさの中に、D&D等のオールドスクール・ファンタジーRPG経験者であれば十分にプレイ可能なものは揃っています。

拙訳で日本語版を作成してみましたので、興味を持たれましたら、ご覧いただければと思います。


『ネイブ』は本文中に記載されているように、クリエイティブ・コモンズライセンス帰属で自由に改変、公開できるのですが、いちおうミルトン氏に日本語版の公開を打診して、ご本人から許可をいただきました。

Thank you, Mr. Milton!

ジ・インディ・ハック日本語版をitch.ioで

開設したハンゲムハイ・ヘラルドのページでジ・インディ・ハック日本語版を販売することになりました。 ジ・インディ・ハック日本語版 by Hang'em High Herald 作者:スレイド・ストーラー Slade Stolar 翻訳:中村俊也 Toshiya Na...